禁煙外来

当院で使用しております禁煙補助薬である「チャンピックス」が製薬会社の事情により出荷停止となっており、出荷が再開するまで禁煙外来を一時休止させていただきます。
供給再開は2022年後半以降になる見込みです。

ご迷惑をおかけしますが、ご理解の程お願いいたします。

保険を使った飲み薬による禁煙治療

当院では、健康保険が適用となる禁煙外来を行っております。

診療日

土曜日:要相談

要予約

尚、禁煙外来は予約制となっておりますのでご希望の方は下記までお問い合わせください。

医療法人 博仁会 志村大宮病院 内科外来

TEL 0295-53-1111 / 担当:梶山

何故タバコをやめられないのか?

タバコを止められないのは、タバコの煙の中に含まれるニコチンという物質の持つ強い依存症が原因です。 この様な喫煙習慣は、最近では「ニコチン依存症」といわれ、治療が必要な病気とされています。

ニコチンが脳内のα4β2ニコチン受容体に結合すると、ドパミンが放出され、喫煙による快感と喫煙行動の強化が生じ、依存症につながります。

タバコをやめるための方法

新しい治療法として、飲み薬による治療があります。 ニコチンを含まない飲み薬、バレニクリン(商品名:チャンピックス)というお薬は、『ニコチン切れの症状』を軽くするだけではなく、 タバコをおいしいと感じにくくするという効果を併せ持つもので、楽に禁煙をする事ができます。 ニコチンを含まない飲み薬、バレニクリンは、イライラなどのニコチン切れの症状を軽くするほか、タバコをおいしいと感じにくくします。 その他に、従来からある方法としての、ニコチンガムやニコチンパッチといった方法もあります。

ニコチンパッチ

  • 健康保険が使えます
  • ニコチンを皮膚から吸収させる貼り薬です
  • 毎日1毎を皮膚に張り離脱症状を抑制します
  • 禁煙開始日から使用し、8週間の使用期限を目安に貼り薬のサイズが大きいものから小さいものに切り替えて使用します

ニコチンガム

  • 薬局薬店で購入します
  • 口の中の粘膜からニコチンを吸収させるガム製剤です
  • タバコを吸いたくなった時に、1日1回をゆっくり間をおきながら噛み、離脱症状を抑制します
  • 禁煙開始日から使用し、12週間の使用期限を目安に使用個数を減らしていきます

バレニクリン

  • 健康保険が使えます
  • ニコチンを含まない飲み薬です
  • 禁煙時の離脱症状だけでなく、喫煙による満足感も抑制します
  • 禁煙を開始するめ1週間前から飲み始め、12週間服用します

健康保険を使った禁煙治療法

健康保険を使った治療を受けるためには、以下の4つの要件を満たす必要があります。

  1. ニコチン依存症を診断するテストというのがあり、そのテストで5点以上であること。
  2. 1日の平均喫煙本数に喫煙年数を掛けた数字が200点以上あること。
    例えば、1日に10本以上吸っていて20年以上吸っている場合は、10本×20年で200以上となります。
  3. 1ヶ月以内に禁煙を始めたという意思があること。
  4. 禁煙治療を受けることに文書で同意していること。

この様な条件のもとに保険を使った診療を行っている医療機関でのみ保険診療にて受診することができます。

保険治療は全ての医療機関で受けられるのか?

健康保険で禁煙治療が受けられる医療機関とは、その医療機関が敷地内全面禁煙になっていて、 決められた呼気一酸化炭素濃度測定機を備えていること、禁煙指導の経験がある医師と看護師がいること、 社会保険事務所に事前に届け出をいているなどの条件を満たしている医療機関です。

当院は上記、施設基準を満たしておりますので、健康保険を使った禁煙治療を行うことが出来ます。

健康保険を使った飲み薬 —バレニクリン(商品名:チャンピックス)— による禁煙治療

健康保険を使った禁煙治療では、12週5回の診察(初回、2週目、4週目、8週目、12週目)を受けます。 毎回の診察では禁煙補助薬バレニクリンなどの処方を受ける他、吐く息に含まれている一酸化炭素濃度を測定したり、 禁煙状況に応じて医師のアドバイスを受けます。

健康保険を使った治療でかかる費用

健康保険を使った禁煙治療にかかる費用は、自己負担分を3割とした場合、正式の呼吸機能検査などを実施しなければ、 12週間合計で約19,000円前後になります。

これは、1週間当たりに換算すると1,600円程度となり、毎日20本のタバコを吸う方なら、1箱440円として約3日分のタバコ代に相当します。

健康な体を取り戻していろいろな病気になりにくくなるという点から考えても決して高い金額ではないと思います。

  ニコチンパッチの場合 バレニクリンの場合
  費用 自己負担額
(3割負担として)
費用 自己負担額
(3割負担として)
初診料+再診療(※1) 7,620円 2,286円 10,080円 3,024円
ニコチン依存症管理料 9,620円 2,886円 9,620円 2,886円
院外処方箋料(※2) 2,040円 612円 4,080円 1,224円
禁煙補助薬(※3) 20,730円 6,219円 37,660円 11,298円
40,010円 12,003円 61,440円 18,432円

(※1) 禁煙のみを目的に治療を受けると仮定。

(※2) 禁煙補助薬のみ処方されると仮定。

(※3) 禁煙補助薬を標準的な用法・用量で使用すると仮定。

※※ 上記費用は2008年4月に改定された診療報酬点数に基づいて算出。

ニコチンガムやニコチンパッチの治療と飲み薬バレニクリンによる治療の比較

ニコチンガムやニコチンパッチによる治療法では、成功率が約20〜30%と低いのが実情で、 この新しい飲み薬バレニクリンによる治療法では、成功率が約60〜80%と高い状況にあります。

特にニコチンガムでは、タバコをやめることはできても、ニコチンガムがやめられずガム中毒になってしまうこともあるようです。 また、ニコチンパッチによる治療では、血中のニコチン中毒の上がり方が、 実際にタバコを吸っている場合とは同じようにはなりにくいという点が指摘されています。 このためにタバコをやめにくくなるようです。

禁煙をしてよかったこととは?

「咳や痰が減った」、「息切れがしにくくなった」、「目覚めがさわやかになった」、「肩こりがなくなった」、 「食べ物の味がよくわかり、おいしく感じるようになった」、「胃の調子が良くなり、食欲が出てきた」、 「肌の調子が良くなった」、「口臭がしなくなった」、「声が出やすくなった」、「他人に不快感を与える心配がなくなった」など、 多くの良いことがあります。そして、健康で長生きすることが出来るようになるわけです。 周りの人に危険な副流煙という煙をまき散らして、迷惑をかけることもなくなります。 副流煙とは、タバコの先の火のついた部分から立ちのぼる煙で、有害物質を多く含みます。